毎月やってくる生理やPMS(月経前症候群)の時期、「仕事がつらい」と感じていませんか?
腹痛や腰痛、頭痛、吐き気、だるさ、イライラ、気分の落ち込み…。本当は横になって休みたいのに、「職場の理解がないから」「休むと周りに迷惑がかかるから」「忙しくて休める状況じゃないから」といった理由で、我慢して出勤している方も多いのではないでしょうか。
「生理だから」と簡単に休めないのが、働く女性の現実です。しかし、無理を続けることで、症状は悪化し、仕事のパフォーマンス低下だけでなく、心身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、生理やPMSで仕事がつらいと感じる女性が、どのように対処していけば良いのか、具体的な方法を解説します。
PMS・月経困難症がもたらす集中力低下・不調の実例
生理やPMSの症状は人それぞれですが、仕事に支障をきたすほどつらいと感じる女性は少なくありません。具体的にどのような影響があるのでしょうか。
PMS(月経前症候群)による不調
生理の3〜10日くらい前から始まる心身の不調で、生理が始まると同時に軽快するか、消えていくのが特徴です。
- 精神症状: イライラ、怒りっぽい、憂鬱、不安、集中力低下、無気力、不眠、過眠
- 身体症状: 頭痛、吐き気、むくみ、乳房の張り、腹痛、腰痛、便秘、下痢、肌荒れ、眠気
これらの症状によって、仕事中の集中力が続かずミスが増える、会議中に発言しづらくなる、人間関係がうまくいかなくなるといった問題が起こりやすくなります。
月経困難症(生理痛)による不調
生理期間中に起こる下腹部痛、腰痛、吐き気、頭痛などの症状で、日常生活に支障をきたすほどひどいものです。
- 主な症状: 激しい下腹部痛、腰痛、吐き気、嘔吐、めまい、貧血、倦怠感、下痢
特に生理初日〜2日目に症状が強く出やすく、鎮痛剤が効かないほどの痛みで仕事どころではなくなったり、冷や汗や吐き気で動けなくなることもあります。
これらの不調は、「気のせい」や「我慢が足りない」ものではありません。脳内のホルモンバランスの変化や子宮の収縮などが関係しており、仕事のパフォーマンスを大きく低下させる要因となります。
職場で理解されづらい女性特有の不調
「生理痛がひどくて…」と職場に伝えても、男性が多い職場や、女性同士でも症状の個人差が大きいため、なかなか理解を得られないと感じる方もいるかもしれません。
- 「みんな我慢しているから」という無言のプレッシャー
- 具体的な症状を伝えづらい
- 男性上司や同僚に相談しにくい
- 怠けていると思われたくない
このような理由から、生理やPMSによる不調を隠して働き続けてしまうケースが多く見られます。しかし、無理を重ねることは、長期的なキャリアや健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
医療機関・産業医に行きにくいときの相談方法
「つらいけれど、わざわざ病院に行くほどでも…」「婦人科は敷居が高い」「産業医に相談すると、会社に知られるのが不安」と感じる方もいるでしょう。
そんな時に利用できる、病院以外の相談方法をご紹介します。
1. オンライン医療相談サービス
自宅や外出先から、スマートフォンやパソコンを使って医師や薬剤師、カウンセラーに相談できるサービスが増えています。
- メリット: 時間や場所を選ばず気軽に相談できる、匿名で利用できる場合が多い、予約なしで相談できるサービスもある
- 利用例: 婦人科医にPMSや生理痛の症状について相談し、適切な対処法や受診の目安を教えてもらう。
2. 公的な相談窓口
各自治体や厚生労働省などが設けている相談窓口があります。
- メリット: 無料で相談できる、中立的な立場からのアドバイスがもらえる
- 利用例: 地域保健センターや女性健康支援センターなどで、女性の健康に関する相談に乗ってもらう。
3. セルフケアアプリやツール
生理周期や症状を記録できるアプリや、心身の不調を和らげるためのセルフケア情報を提供するウェブサイトも有効です。
- メリット: 自分の状態を客観的に把握できる、対処法を学ぶことができる
- 利用例: 記録した生理周期や症状を基に、PMSの症状が出やすい時期を把握し、事前に休息やリフレッシュの計画を立てる。
保健師に話してみるのも一つの対処方法
もし、あなたの職場に保健師が配置されているのであれば、ぜひ一度、話を聞いてもらうことをお勧めします。
保健師は、企業の健康管理を専門とする国家資格を持った専門家です。
産業医とは異なり、診断や治療は行いませんが、従業員の健康相談に乗り、必要に応じて医療機関への受診を促したり、社内の部署と連携して職場環境改善のアドバイスを行う役割を担っています。
- 守秘義務がある: 相談内容が会社に漏れる心配が少なく、安心して話せます。
- 専門的な知識がある: 生理やPMSに関する正確な知識を持っており、症状について理解を示してくれます。
- 医療機関受診のサポート: どんな病院に行けば良いか、症状をどう伝えれば良いかなど、具体的にアドバイスしてくれます。
- 産業医や会社との橋渡し: 必要に応じて、あなたの意向を確認した上で、産業医や人事担当者との間に入ってくれることもあります。
保健師は、働く女性の心身の健康をサポートする身近な存在です。つらい時は一人で抱え込まず、まずは保健師に相談してみることから始めてみましょう。きっと、あなたの気持ちに寄り添い、具体的な解決策を一緒に考えてくれるはずです。
Mithubato Officeでは、働く人のちょっと不調に寄り添う「オンライン健康相談室」をオープンしています。
