健康診断の結果が届いたけれど、忙しくて内容をじっくり確認する時間がない。あるいは、「要再検査」の項目があったけれど、「今は仕事が立て込んでいるから」「別に自覚症状もないし」と、ついつい後回しにしていませんか?
働く世代、特に責任感の強いビジネスパーソンほど、自分の健康よりも仕事を優先し、健診結果をスルーしがちな傾向にあります。
しかし、その「要再検査」の放置が、後々取り返しのつかない事態を招くことも少なくありません。忙しいからこそ、自分の体を守るための時間を確保することが何よりも大切です。
この記事では、健診で「要再検査」になった方向けに、検査の大切さを解説します。
「要再検査」「要精密検査」の意味とは?
健康診断の結果には、様々な判定区分があります。特に注意が必要なのが、「要再検査」と「要精密検査」です。
そもそもの意味は、以下を参考にしてください。
要再検査▶︎健診で行われた検査の結果が、基準値からわずかに外れている場合や、一時的な変動の可能性がある場合に用いられる判定です。
再検査を行い、本当に異常があるのか、あるいは一時的なものだったのかを確認する必要があります。
例: 血糖値が少し高め、肝機能の数値が基準値をわずかに超えているなど。
要精密検査▶︎健診の結果、病気の可能性がかなり高いと疑われる場合や、より専門的な検査が必要と判断された場合に用いられる判定です。
放置すると病気が進行するリスクがあるため、早急に専門医を受診し、詳細な検査を受ける必要があります。
例: 便潜血陽性(大腸がんの可能性)、胸部X線で異常陰影(肺疾患の可能性)、血圧が著しく高いなど。
どちらの判定も、「今は自覚症状がないから大丈夫」と自己判断して放置するのは非常に危険。
健診はあくまで、病気の早期発見・早期治療を目的とした「入り口」に過ぎません。これらの判定が出たということは、体が何らかのサインを送っていると捉えるべきです。
見逃すとどうなる?病気のリスクと事例
「要再検査」や「要精密検査」の指示を放置すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
自覚症状がない段階で発見できるからこそ、健診の価値があります。そのチャンスを逃すと、病気が進行し、取り返しのつかない事態になる可能性があります。
具体的なリスク
- 高血圧の放置: 自覚症状がないまま進行し、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞といった重篤な病気を引き起こす可能性があります。高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、静かに体を蝕んでいきます。
- 糖尿病の放置: 血糖値が高い状態が続くと、神経障害、網膜症、腎症といった合併症を引き起こし、失明や人工透析が必要になることもあります。手足のしびれや視力低下などの症状が出た時には、かなり進行しているケースが多いです。
- 肝機能異常の放置: 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状が出にくいのが特徴です。健診で異常が見つかっても放置すると、脂肪肝から肝炎、さらには肝硬変や肝臓がんへと進行するリスクがあります。
- がんの見逃し: 便潜血陽性や胸部X線異常陰影など、がんの可能性を示す結果が出たにもかかわらず放置すると、早期発見の機会を逃し、進行がんとなって治療が難しくなることがあります。
「忙しい」という理由で、将来の健康と命を危険にさらすことは、避けなければなりません。
相談だけでもOK!病院に行かずに話せる方法
「病院に行く時間が本当に取れない」「何科に行けばいいのか分からない」「まずは誰かに相談したい」という方もいらっしゃるでしょう。そんな時に活用できる、病院に行かずに専門家に相談できる方法をご紹介します。
1. オンライン医療相談サービス
スマートフォンやパソコンを使って、自宅や職場から医師や看護師に相談できるサービスです。
- メリット: 時間や場所を選ばず気軽に相談できる。匿名で利用できるサービスも多く、プライバシーが守られる。現在の症状や健診結果について具体的なアドバイスをもらえる。
- 活用例: 健診結果の数値について、「これはどんな意味なのか」「どの科を受診すれば良いのか」「急いで受診すべきか」といった疑問を相談し、適切な受診先や対処法についてアドバイスをもらう。
2. 職場の産業保健スタッフ(産業医・保健師)
もしあなたの職場に産業医や保健師が配置されているのであれば、積極的に活用しましょう。
- メリット: 守秘義務があるため安心して相談できる。会社の健康管理体制を理解した上で、適切なアドバイスやサポートを受けられる。必要に応じて、受診のための時間調整や、職場への配慮について橋渡しをしてくれることもある。
- 活用例: 健診結果を見せながら、今後の受診について相談したり、多忙な中でどうやって受診の時間を作るか、業務への影響を最小限にする方法などを検討してもらう。
これらのサービスは、忙しい中でもご自身の健康について第一歩を踏み出すための有効な手段です。使いやすいサービスを検討してみてくださいね。
健康管理を習慣化するためにできること
健診で異常が見つかってから慌てるのではなく、日頃から健康管理を習慣化することが重要です。
忙しい中でも無理なく続けられる方法を取り入れてみましょう。
- 健診結果の「見える化」: 健診結果は、引き出しの奥にしまい込まず、目につく場所に置いておきましょう。スマートフォンのアプリで管理するのもおすすめです。自分の健康状態を常に意識することで、異常に気づきやすくなります。
- かかりつけ医を持つ: 特定の症状がなくても、気軽に相談できる「かかりつけ医」を持つことを検討しましょう。日頃からあなたの健康状態を把握してくれる医師がいると、いざという時にスムーズに相談できます。
- 定期的な運動とバランスの取れた食事: 基本中の基本ですが、忙しい日々の中でも意識して取り入れることが大切です。エレベーターではなく階段を使う、ランチに野菜を追加する、など、できることから始めましょう。
- ストレスマネジメント: ストレスは不眠や生活習慣病の原因にもなります。趣味の時間を作る、リラックスできる場所を見つける、適度な休息をとるなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
- リマインダーの活用: 「再検査の予約」「次の健診の時期」など、大切な健康に関する予定は、スマートフォンのカレンダーやリマインダー機能に登録しておきましょう。
「忙しい」を言い訳にせず、自分の体と向き合う時間を確保することは、未来の自分への投資です。健診で出た「要再検査」のサインを見逃さず、早期の行動で健康な毎日を守りましょう。
Mithubato Officeでは、働く人のちょっと不調に寄り添う「オンライン健康相談室」をオープンしています。健診結果について、単発でご相談を受けることも可能です!詳細は以下をご覧くださいね。
